オムロン新検査装置「VT-Sシリーズ」の機能紹介・・・品質コスト最小化

(2015/3/16)


前回に引き続きオムロン新検査装置「VT-Sシリーズ」についてご紹介します。今回は新しく備わった機能、以前の装置との違いなどについて説明します。

検査プログラム作成短縮 自動化技術を用い短時間で作成可能

検査装置を運用する上で重要なのが検査プログラムを作成する事ですが、当然のことながら「短時間」かつ「シンプル」で「後戻りなく」作業出来れば最良です。
本装置では下記のSTEPで作成を進めますが、それを解説いたします。

【検査プログラム作成Flow】
 1)初期検査基準の検討し入力
   ↓
 2)基板諸言を入力しサンプル基板の画像を取得
   ↓
 3)マウントDataを取り込み後、最少の操作で部品品番(ライブラリ)を生成
   ↓
 4)部品品番毎に自動で「モデル」を取得
   ↓
 5)ランド形状に即したウインドウを自動生成
   ↓
 6)ファインチューニングの実施(サンプル画像を用いた自動閾値チューニング)

一般的な画像検査装置の場合、検査プログラムの3要素として「検査ウインドウ」「色パラメータ(画像特徴量)」「検査しきい値」の3つを部品毎に組み合わせ検査プログラムを構成していますが、新検査装置では、各所に自動化技術を盛り込み作業者を支援します。

1.検査ウインドウ
特に基板ランドのウインドウは、生基板からの自動取得で操作者の負担を軽減し、かつ正確なウインドウ情報を得る事が可能です。
これは、検査プログラムの土台となるものであり「正しい検査」への第一歩です。

検査ウインドウ

2.色パラメータ(画像特徴量)
以前の装置は全てマニュアル操作で決定しましたが、新検査装置はサンプル部品画像から特徴量を自動で吸い上げてくれるので、この操作が殆ど不要になりました。
また、文字検査や極性検査に使用する「文字モデル」も自動取得しますので、複雑な設定作業が必要無くなり、勘・コツ・経験を排した作業が可能になりました。
3D検査機能を搭載した「VT-S730」では、部品や電極の高さも検査パラメータとして使用します。一般的に、部品情報は部品カタログや実測から数値を求める必要がありますが、新検査装置は基板サンプル画像から部品高さ情報を吸い上げますので、この作業は不要になります。最少の操作で、3D検査の検査プログラムが構築可能です。

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3.検査しきい値
最後の作業として重要なのが「検査しきい値」の決定です。
作成開始時に「初期検査基準」を設定します。これはIPC-A610規格から「部品のずれ量はどれぐらい?」「はんだヌレ高さはどれぐらい?」などの基礎的なパラメータを設定します。
基本的にこの作業で検査基準設定は終了しますが、IPC-A610で定義していないはんだヌレ検査などの一部のパラメータは、良品サンプルの群から不良時のしきい値を予測し決定します。この際に不良サンプル画像があれば、より的確な検査しきい値の設定が可能です。

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【操作性】
上記フローは、タブ形式になっており、操作者は左のタブから右のタブへ、操作を進めて頂ければ作業を完了する事が出来ます。
 ですので、操作者は今自分がどの作業を行っていて、今後どんな作業が必要かを把握する事が可能になります。操作はマウスとキーボードで行います。

【成果とまとめ】
今まで困難とされてきた「検査プログラムの自動化」が、新検査シリーズで加速しています。操作者の負担と時間の最少化を実現しています。
部品高さを検査出来る「VT-S730」では、扱う情報量が既存装置より多くなっているにも関わらず、従来比1/3~1/4の作業時間で作成が可能であり、その作業内容も、「誰もが」「簡単に作業できる」ものへと進化しています。

検査装置導入の目的が、「品質コストの最小化」であり、その作業コストも最少で無ければなりませんが 既存装置ではこの部分に不満が多くございました。新検査装置では十分な導入効果を見込む事が可能です。
ぜひ一度、最新機種のご確認をお勧めいたします。 

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