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代表取締役社長 柿崎弘雄

 

2017年のご挨拶

昨年中は色々お世話になりまして有難うございました。今年もよろしくお願いいたします。
起業してから目まぐるしく国内の製造業も変革してきております。振り返りますと10年前、20年前に先々を見越して企業経営してきた会社、また品質管理をきちんと順守してきた会社が発展してきているように感じている今日この頃です。
当時このような所に余りお金かけないで、蔑ろにしてきた会社が今現在となって四苦八苦し荒波にもまれているように感じます。急激に海外生産が始まったと思ったら、目まぐるしく生産拠点のシフトが始り、今や中国生産は死語となりつつある。ワーカーのレーバーコストもそうだが、結局のところ一向に改善されない品質が問題なのではないでしょうか。

先日ありました中国の携帯機器メーカーHUAWEIでの一コマですが・・・
現地工場内で作業をする際、床に直に座って作業していた日本人作業者が注意を受けたらしい。どこからの知恵かというと、その昔指導した日本人が5SやISOに特化した教育をした際に作業マナーとして教えたことが、変な解釈のままのブーメランとして還って来たのである。まるで今の国会のやり取りと同じである。民進党さんの舌鋒鋭い方が、ことさら攻撃的に仕掛けても裏を取ると政権与党の時に同じ発言や同じ行為を行っていたのと似ている。喉元過ぎると忘却曲線が3次元的に減衰するのである。
話しを戻すと工場内を定期的に巡回する見廻り係みたいな面々がいるらしい。工場内で運悪く椅子でなく床に直に座って作業する姿が見つかると、工場内出入り禁止者となり作業はおろか何も出来なくなってしまう。更に作業指示していた現地の管理者にペナルティが与えられ罰金1000元とか自腹で払う必要がある。何もかも教えられたことに対するマニュアル作業者でしかなく、一歩逸脱してしまうと軌道修正が効かない、どう見ても阿保としか言わざるおえない。
作業するうえで機械に潜って配線チェックやらPLC等修正、機器のメンテナンスはどうしても床座りでやる場合があるのに聞く耳持たないのである。上から指示された通りの行動しかできないし、物事の道理が理解できないのである。今となっては笑い話であるが現実の話であり、現地作業者にとっては笑えない話である。

さて、皆さんはこういう事例を身近で感じたことはありますか。最近よく色々な会社にお邪魔して思うことは一人で完結した仕事が出来ない社員を抱えている所が多いと感じさせられる事です。いちいち仕事の状況を報告し指示を仰ぐ、進捗的には管理されて良いのだろうが仕事の組み立て方が一人でできないのです。普通、業務立ち上げ(DR)、試作(PP)、量産(MP)があり納期が設定される。納期に向けて自分はいつ何をしなければならないか、仕事のスケジュール(タイミングチャート)を組み立てて自分で進捗管理をして、もし大幅に遅れる場合やトラブルが起きそうな段階でも、事前に意思表示をして対策を練るというのが普通であるが、このタイムスケールを書けない人が多すぎる。その結果、にっちもさっちも行かなくなってから、「出来ません」と言うからタチが悪い。もっと早くに意思表示さえしてくれてたら相手に尊大な迷惑をかけなくて済んだのに・・・という後悔である。
個人の感性と言ってしまえばそこで終わりなのですが、よく言えば寡黙、悪く言えば融通が利かない。いずれにしてもこんな仕事の仕方では効果が出るはずがありません。会社で良く3ヶ年計画や中期利益計画を策定していた時代にどんどん構想が膨らんで
「親会社から独立してやろう」とか、
「分社化して別会社にしてやろう」とか、
「親会社超えちゃえ」とか、
いろいろ策略していた当時がとても懐かしく思われる。

それから最近の海外工場事情については、中国はハッキリ言って終わり(旨味が無くなっているしダブルスタンダードで法律が目まぐるしく変わるのでリスクが高い)、ベトナムやインドネシア、タイ、フィリピン等が見直しされてきているがこれらのアジア工場も今にもまして中国化現象が早くに来ているように感じられる。春節・テト等で社員が戻ってこない現象も同じ推移を辿っているような気がしてならない。
昔よりネットワークやSNSを使った情報網がレベルを上げている結果だと思う。やはりもう一度日本の工場に回帰させるべき時期が来たなと感じている。全部がそうではないにしろ、やはり戻すべき事業が見えてもいる。
どうなるのか2017年は。とりあえず目まぐるしいスピードで変化していることだけは事実である。ぜひ今年は3本の柱の構築に知恵を投入する時期であると考えて自ら行動するよう心掛けたいと思う。


 

過去のご挨拶