SMT外観検査装置選定に寄せて

水曜日, 6月 8th, 2016

有限会社アルテリア  五十嵐 裕

(2016/6/10)


1)はじめに

SMT外観検査装置の選定には必ずと言ってよい程、「デモンストレーション」を実施するのが昨今は業界の常識となっている。筆者もデモンストレータとしてお客様に接する機会を頂き、お客様と多方面について語る機会を頂いているが、お客様の示す現状課題・選定方針とその方法は千差万別で非常に興味深いものがある。
以下は小生が常々感じた事を記し、皆様方の装置選定の参考になればと思い筆を進めさせて頂く事とする。

2)SMT外観検査装置の歴史背景

回路基板の微細化・多様化が進歩した1980年後半から外観検査工程の自動化のニーズが高まり、微細化・大ロットを特徴とするデジタル家電系や、高信頼性を必要とする車載機器や産業機器を中心に採用が加速した。ヒトの目視検査を中心とした官能的検査から定量的機械検査へとイノベーションを創出し生産現場の景色を一変させ、外観検査装置はSMT製造現場の必須アイテムとして順調な成長をみせた。しかし2000年代中盤から海外グローバルへの製造シフトを中心とした「モノづくりの多様化」がより一層進み、昨今は外観検査装置においても更なる機能向上と新たな課題解決の必要性が生まれている。

実装技術の遍歴
図1: 実装部品の遍歴

3)企業の課題と装置選定現場のGAP

この20年、あらゆるプロダクトの品質への要求は加速度的な高まりをみせた。電子回路があらゆるモノに搭載されてヒトを取り囲み、私たちの生活は電子回路の品質を無視できない世の中になったと言っても過言ではない。この流れはIoTを合言葉に更に加速する。
今後、プロダクトの地産地消化も進む。海外向け自動車の電子回路を日本で生産する事は減少し、より消費地に近いロケーションでモノづくりを行いタイムリに供給する。グローバル拠点間の効率良いノウハウ伝承とその具体的方法が課題化している。
SMT生産のモノづくりは、より多品種・小ロットが進む。とりわけ生産の柔軟性が求められ、設備機器類を効率よく運用するには非常に困難な環境に変化している。コストダウン圧力の高まりを合わせ損益分岐点はおのずと上がるので、装置選定においても高価な装置を導入しづらくなる。
EMS系企業であれば、主要取引先や業界トレンド等の技術動向も無視できない。読み間違えれば主要取引先を失いかねない事態に陥ることも考えられる。
規模の大小問わず、企業はグローバルレベルでの厳しい生き残り競争にさらされる。差異化ポイントは「品質」だが、海外勢の追い上げも非常に激しい。
お客様企業内での担当技術者の変遷も進んだ。パイオニア精神旺盛だった初代から2世代目~3世代目へと技術移管が進み、担当技術者のマインドも変化がみられる。その視点は、「イノベーション的発想」から「実務上課題点の改善」にシフトしつつある。安全で現実的な発想であるが、近視眼的発想がうかがえる。
企業のトップマネジメント層は、経営課題を解決する為の「モノづくりのパラダイムシフト」を欲している。しかし現場を預かる評価技術者は、目の前の、今現在運用している装置ベースの改善アイディアを欲し、装置評価の指針とする。その観点は「自分の担当する範疇においての工程改善」である。装置選定指針の大きなGAPがここに生まれる。それを是正するのがミドルマネジメント層であるが、装置選定を指示し部下に一任した彼らは「選定結果を期日までにトップマネジメント層に挙げること」が自身の業務となり、このGAPを是正する機会を失っている。更に混沌とした今後の10年を共にするであろう装置の選定評価は、もっと全社的視点から慎重に課題を見極めて繊細な選定評価を実施するべきであり、「企業の経営課題」に対し選定対象の装置が課題解決に役立つものなのか?を問い続けるのが本来の選定評価であるべきではないか?これが筆者の主張である。 組織マネジメントの良い例、悪い例
図2: 組織マネジメントの良い例、悪い例

4)経営課題を満足させる装置選定とは

企業の経営課題は色々あれども、モノづくりのKPIは品質/コスト/納期で表現され普遍の価値であり、この3つを過剰でも過少でもない「モノづくり最適化」が求められる。最適な品質のプロダクトを適正コストでSCMに基づいて市場に供給し利益を得る、これが理想であるが、これが実現しないからロスが生まれ、市場機会を失い事業の足かせとなる。これが企業の課題であると定義できよう。

ミーティング風景 この課題に対しSMT外観検査装置はどのような貢献をすべきかを思案する。
検査装置であるから、検査作業を機械化し高速定量処理するのは目に見える動作であり有形的効果であるが、検査装置が企業にもたらす無形的効果をどう有形化し、それをモノづくりKPIの向上に波及させる事が出来るのかが、選定評価軸立案時の大切な指針である。具体的にいえば、検査装置は「経営課題を解決する為の能力やファンクションを備えているのか?」の評価軸をファーストプライオリティとし、選定評価時にその見極めを実施するべきである。

しかしながら、実際の評価現場ではおおむね一辺倒的な評価を行っているのが現状である。参考までに記述すると、
     
  1. 装置構造の確認(ハードウエア機能確認)
  2. 試料による検査タクトの採取、検出能力の確認
  3. 操作性、教示作業のしやすさ(ソフトウエア機能確認)
  4. その他機能性の確認

単純に、装置の優劣を決める為の評価作業であれば1.~4.を比較すれば良いが、1.~4.の評価内容が先に論じた経営課題解決の満足を得られるとは考えにくい。検査装置がもたらす無形的効果の議論がなされていないからである。
では、無形的効果とは具体的になにか、それは以下の様に説明出来る。
前項で唱えた、品質/コスト/納期の関係であるが、多くは品質が適正でないので納期が遅れる、または適正コストを実現出来ない、と仮説化すれは、早急に適正化すべきは品質である。しかし多くの検査装置は前項で申した通り「検査するだけ」であるから、不良品を仕分ける事は可能だが、根本的な品質改善は不可能である。つまり不良品は減らないのである。ではどうするか?検査装置を活用する事で得られる無形的品質情報を「情報可視化」(=品質情報の見える化)を用い、生産工程での品質作り込みを促進させ、不良品そのものを無くしてしまう発想である。昨今は研究開発も進み、検査装置からもたらされる品質上をソフトウエア処理して生産設備に情報を送り、生産設備が有機的動作で合格品を生み出す様な仕組みも開発されている。不良品が根絶され生産されるものが全て合格品であれば、工場の歩留まり在庫なくSCMも改善され、結果として企業経営も改善される。検査装置の新しい価値に着目しそれを引出し、経営課題のKPIを改善する。こんな成果ストーリが描ければ、装置選定は成功といえるのではないかと想う。

5)装置選定とメーカーサイドの責任

4)のストーリを導き出せないのはメーカーサイドの責任もある。お客様が申し出る課題(多くは現場技術者がもつ課題)に対し、お客様が申し出た内容だけを課題化し小手先でデモンストレーションしお客様の満足を得る、その企業の真の課題に対してアプローチしない。この要因は単純で、その方がデモンストレーション上は優位に進み、評価担当者はそれに満足し、結果として装置の成約に繋がり手離れもよいからである。この様な安直な評価が横行している事は大変残念である。「照明ライトが多い方が有利です」「他社よりスループットが速いです」「価格が他社と比較し安価です」これらは、企業トップマネジメント層が抱える「生き残りをかけた企業課題」を何一つ解決出来ないのである。メーカーは、お客様企業の抱える課題に対し真摯に向き合い、イノベーションを創出し解決手段を示し、実践とフォロによって成果を生み出してお客様とメーカーが共にウインウインとなる事がベストであるし、ここまで実現して初めて装置導入が成功した、と言ってよいのだろう。残念ながら、あるメーカーでは販売後フォロが不十分でお客様は途方に暮れる事例もあると伺っている。市場を陳腐化しているのは、お客様の事業環境だけでなくメーカーサイドの努力不足で有る事も認識する必要があるだろう。

6)おわりに

繰り返しになりますが、この様に装置選定とはその企業の行末を決める上での重要なイベントとなります。これを間違えれば今後10年間の企業の行末は非常に困難なものに陥ると言わざる負えません。お客様におかれては社内で十分な議論を行い、選定指針を定め、良いパートナーとなるようなメーカーを選定される事を希望し末筆とさせていただく。
(以上)
                                                                   

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オムロン新検査装置「VT-Sシリーズ」の機能紹介  最適な検査

火曜日, 2月 2nd, 2016

(2016/2/2)


検査機の不良見逃しを無くするために「表示されている全ての検査項目をONにする」。見逃しのリスクを最小限に抑えるための方法の一つかもしれません。
しかしながら「適切」というキーワードで考えた場合はどうでしょうか?

例えば、不良モード「縦ずれ」の場合で考えます。

A チップ実装 実装位置ずれなし、電気接合あり
電極1,2共に、ランド中央に
B 002 実装位置ずれ有り、電気的接合あり
電極1:ランド端と電極端が同じ位置
電極2:電極長の半分がランド上に存在
C 003 実装位置ずれ有り、電気的接合なし
電極1:ランド端から電極がはみだしている
電極2:ランドと電極が離れている

どのような製品でも状態Aは良品と判断され、状態Cは不良と判断されます。状態Bは、製品特性・部品特性などにより、良品・不良品の判断が別れることがあると考えます。
対象部品の検査適性を考える場合、「状態Bは不良判定とするべきか?」。これには、品質判定基準を検査装置検査基準に置き換えて考えます。

接合の程度で並び替えると

  1. 状態B 電極2:ランドへの電極かかり量が電極長の半分
  2. 状態B 電極1:ランド端と電極端が同じ位置
  3. 状態C 電極1:ランド端から電極のはみだし

状態Bを検出するときには、部品寸法ばらつきを考慮しなければ、どちらか一方のランド検査で不良検出できます。



【まとめ】

事前に検査判定項目・規格を明確にすることで過不足ない検査プログラムの作成ができます。

  • どんな状態を不良判定させるか?
  • 不良特徴は部品姿勢・電極姿勢・はんだ形状のどこに現れるか?

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オムロン新検査装置「VT-Sシリーズ」の機能紹介
  ・・・インライン運用を加速させる新検査装置の改善点

火曜日, 8月 18th, 2015

(2015/8/18)


前回のコラムで定義いたしました3点について解説致します。

1)の「検査処理の更なる高速化」について
VT-S730では、従来機種のVT-WIN2と比較し、約1/2~1/3のタクトで検査が可能です。
(但し、斜視検査など一部の検査を多用しますと、タクトが変わってきます)
VT-WIN2も業界では高速検査出来る装置として評価されましたが、VT-S730は光学系の設定を全て見直す事により、上記のタクトを実現しています。特筆すべきは、対VT-WIN2と比較し、取得している情報量が多いながらこのタクトを実現している事です。今までのオムロンの特色であるカラーハイライト画像と3Dモワレ画像を取得し、検査の眼を増やしつつ従来機より高速な検査タクトを実現します。
これにより、初期導入のお客様の多くは、SMTラインに最初から組み込み、インライン運用されているお客様が多くなっております。

2)「外部で検査プログラムの作成・修正が行えること」について
新検査装置シリーズは(基板画像を撮像する作業を除き)基本的に外部作成装置で作成・修正を行います。
特に、検査プログラムの修正(検査運用中に修正するなど)については、サーバに対し検査した画像をストックして修正作業の材料に出来ますので、修正作業の為に改めてサンプル基板を確保する必要がありません。全てシステム内で完結出来るしくみです。 サンプル基板の取り扱いが無くなり、担当者の負荷が削減されております。

3)「高い直行率で有る事」について
新検査シリーズは従来機と比較し検査ロジックを全面的に見直しております。 直行率を阻害する要因はいくつかありますが、意外に多いのが、部品極性や文字検査です。従来機は部品のマークや文字が変化すると、それを不良として検出してしまいました。
新検査装置では、予めフォントやマークの違う部品モデルを登録しておけば、自動判別の上検査が可能です。故に部品のばらつきに非常に強くなりました。
はんだフィレット検査でも、従来機ははんだ表情の変化に過敏に反応する傾向がありましたが、新検査装置では取得したはんだ形状の情報を一旦数値化し判定するので、こちらもばらつきに強くなりました。

他にもいろいろな特徴がございますので、是非一度実機をご確認頂ければと思います。

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オムロン新検査装置「VT-Sシリーズ」の機能紹介・・・検査タクトの更なる向上

木曜日, 4月 9th, 2015

(2015/4/9)


インライン運用性

次に、運用面で大事なのが、「検査タクト」「インライン運用性」です。

S730_2

現代のSMTラインは、印刷~実装~リフロー硬化のフルデュアルレーン化、搭載機のモジュラー化、スプライシング(部品継ぎ足し)によるノンストップ化等、いわゆる「生産性の向上」は目を見張るものがございます。

その結果、以前は対象機種の部品搭載点数でおおよそのラインタクトが決定されましたが、現在は少量搭載機種でも多量搭載機種でもラインタクトの差が少なくなり、どんな機種、基板でもおおよそ約30秒程度でライン流動する事例が増えて参りました。

また、検査装置の運用レイアウトも、以前はSMTラインと切り離したバッチ(独立)ラインが主流でしたが、下記の理由で、積極的なインライン運用をご検討されています。

  • 検査待ち在庫をなくす事が出来る。(デリバリ向上、コスト低減)
  • SMTラインの品質変動、不良品発生を早期にキャッチする事が出来る。(品質向上)
  • 基板に手を触れない為、ヒトの手による2次不良発生要因を排除する事が出来る。
  • 取引先とのサプライチェーンの改善が見込め、ビジネス向上に繋げる事が出来る。

しかし、阻害要因を考察すると、主に下記3点がインライン運用のネックでした。

  1. 検査装置の歩留まり率が悪く、インライン運用が構築出来ない。
  2. 検査プログラムの作成・修正が、実機上でないと出来ない。
  3. 検査プログラムの作成・修正(収束)に時間が掛かる。

上記の1~3の要因から、新検査装置の改善点を定義すると、

  1. 検査処理の更なる高速化。
  2. 外部(実機以外)で、検査プログラムの作成・修正が短時間で行えること。
  3. 高い検査直行率である事。(歩留まりが良い事)
次回、こちらの詳細について解説を予定しています。

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オムロン新検査装置「VT-Sシリーズ」の機能紹介・・・品質コスト最小化

月曜日, 3月 16th, 2015

(2015/3/16)


前回に引き続きオムロン新検査装置「VT-Sシリーズ」についてご紹介します。今回は新しく備わった機能、以前の装置との違いなどについて説明します。

検査プログラム作成短縮 自動化技術を用い短時間で作成可能

検査装置を運用する上で重要なのが検査プログラムを作成する事ですが、当然のことながら「短時間」かつ「シンプル」で「後戻りなく」作業出来れば最良です。
本装置では下記のSTEPで作成を進めますが、それを解説いたします。

【検査プログラム作成Flow】
 1)初期検査基準の検討し入力
   ↓
 2)基板諸言を入力しサンプル基板の画像を取得
   ↓
 3)マウントDataを取り込み後、最少の操作で部品品番(ライブラリ)を生成
   ↓
 4)部品品番毎に自動で「モデル」を取得
   ↓
 5)ランド形状に即したウインドウを自動生成
   ↓
 6)ファインチューニングの実施(サンプル画像を用いた自動閾値チューニング)

一般的な画像検査装置の場合、検査プログラムの3要素として「検査ウインドウ」「色パラメータ(画像特徴量)」「検査しきい値」の3つを部品毎に組み合わせ検査プログラムを構成していますが、新検査装置では、各所に自動化技術を盛り込み作業者を支援します。

1.検査ウインドウ
特に基板ランドのウインドウは、生基板からの自動取得で操作者の負担を軽減し、かつ正確なウインドウ情報を得る事が可能です。
これは、検査プログラムの土台となるものであり「正しい検査」への第一歩です。

検査ウインドウ

2.色パラメータ(画像特徴量)
以前の装置は全てマニュアル操作で決定しましたが、新検査装置はサンプル部品画像から特徴量を自動で吸い上げてくれるので、この操作が殆ど不要になりました。
また、文字検査や極性検査に使用する「文字モデル」も自動取得しますので、複雑な設定作業が必要無くなり、勘・コツ・経験を排した作業が可能になりました。
3D検査機能を搭載した「VT-S730」では、部品や電極の高さも検査パラメータとして使用します。一般的に、部品情報は部品カタログや実測から数値を求める必要がありますが、新検査装置は基板サンプル画像から部品高さ情報を吸い上げますので、この作業は不要になります。最少の操作で、3D検査の検査プログラムが構築可能です。

lo12_004

3.検査しきい値
最後の作業として重要なのが「検査しきい値」の決定です。
作成開始時に「初期検査基準」を設定します。これはIPC-A610規格から「部品のずれ量はどれぐらい?」「はんだヌレ高さはどれぐらい?」などの基礎的なパラメータを設定します。
基本的にこの作業で検査基準設定は終了しますが、IPC-A610で定義していないはんだヌレ検査などの一部のパラメータは、良品サンプルの群から不良時のしきい値を予測し決定します。この際に不良サンプル画像があれば、より的確な検査しきい値の設定が可能です。

lo12_005

【操作性】
上記フローは、タブ形式になっており、操作者は左のタブから右のタブへ、操作を進めて頂ければ作業を完了する事が出来ます。  ですので、操作者は今自分がどの作業を行っていて、今後どんな作業が必要かを把握する事が可能になります。操作はマウスとキーボードで行います。

【成果とまとめ】
今まで困難とされてきた「検査プログラムの自動化」が、新検査シリーズで加速しています。操作者の負担と時間の最少化を実現しています。 部品高さを検査出来る「VT-S730」では、扱う情報量が既存装置より多くなっているにも関わらず、従来比1/3~1/4の作業時間で作成が可能であり、その作業内容も、「誰もが」「簡単に作業できる」ものへと進化しています。

検査装置導入の目的が、「品質コストの最小化」であり、その作業コストも最少で無ければなりませんが 既存装置ではこの部分に不満が多くございました。新検査装置では十分な導入効果を見込む事が可能です。
ぜひ一度、最新機種のご確認をお勧めいたします。 

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オムロン新検査装置「VT-Sシリーズ」の御紹介

水曜日, 11月 19th, 2014

(2014/11/19)


今年度オムロンより「新検査シリーズ」として発売された検査装置の御紹介と、この新しい検査装置の特徴や必要性について、SMT技術の動向や国内外の実装現場の状況などを交えながら説明したいと思います。

【1】市場動向
近年、SMT技術を核とした電子機器のモノづくりは、大きく3つの形態に分かれています。

 (1)スマートフォン、タブレット、ウエアラブル機器に代表される「デジタル機器系」

 (2)自動車の電子制御系、いわゆる「車載機器系」

 (3)通信機、携帯基地局、セキュリティ関連などの「産業機器系」

(1)の主戦場は中国一極から、タイ/ベトナムを中心とする東南アジア圏に低コストと安定労働力を求めシフトしており、この流れはしばらく続くものと思います。 グローバル視点では、アップル/サムスンの2トップとこれを脅かす台湾/中国ローカル系企業が低価格を武器にパイを奪い合う形になっており、日本国内において我々に身近なスマートフォンでも中国メーカー製が散見される様になりました。
日系企業はこれらに「部品事業」として参入し、モジュール発信子や液晶バックライト等の部品でモバイル機器系モノづくりに入り込む形が多くみられますが、セットメーカーの高い品質要求レベルを満足するのに苦慮されているようです。

(2)については、近年のハイブリッド車に代表される燃費競争や環境性能/安全性向上を主目的に、電子デバイスを数多く搭載する傾向になり、高級車では車両1台に30個以上の制御ユニットを搭載することも珍しくありません。また最近では日本工場/海外工場で同時立ち上げが必然になっており、日本国内で品質を作りこんでから海外工場へ展開、という従来手法が取れず、生産技術系エンジニアの御苦労がうかがえます。
日本の完成車体メーカーでも海外サプライヤから部品を調達する事例が増えている中、逆に日本の部品サプライヤは海外車体メーカーとの取引事例を増加させており、いわゆる「系列」が崩れグローバル競争へと発展しています。
当然品質は重要ですが、品質要件も完成車体メーカーや地域毎の特色があり、最適品質/最適コストを満たすモノづくりは困難を極めつつあります。

(3)については、日本国内では安定していた産業機器系に関しても最近は競合の参入、コスト性や柔軟な生産/納期対応が求められておりその市場様相は変化しつつあります。

いずれの業態においても「品質」「コスト」「納期」においては、一層厳しい対応を迫られていると思われます。

【2】オムロン新検査シリーズのコンセプト
【1】でご紹介した市場動向から、下記3点を主要コンセプトに致しました。

(1)品質コスト最小化
課 題 対 応
検査プログラム作成短縮 ・自動化技術を採用し短時間で作成可能。
検査タクトの更なる向上 ・従来比約1.5~2倍の検査スループット実現。
インライン運用 ・設計段階よりインラインを意識した仕様。
高性能検査 ・従来のカラーハイライトに加え3Dモワレ照明採用。
・2つの方式のハイブリッドで検査性能向上。
・過剰判定は従来比1/5~1/10。

(2)グローバル品質管理
課 題 対 応
品質見える化、良品モノづくり ・印刷/実装/リフロー検査の状況を3点画像で工程間照合し、要因を素早く解析します。

(3)国際基準に準拠したモノづくり(モノづくり付加価値向上)
課 題 対 応
検査装置独自の品質基準 ・IPC-D610を意識した検査基準設定。担当者は閾値を設定するだけ。

次回より、詳細な内容をご紹介させていただきます。

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「過検出」を分析し改善に生かす

金曜日, 7月 11th, 2014

(2014/7/11)


検査装置を運用する現場では、必ずと言っていいほど「過検出」という問題に突き当たります。
改めて過検出とはなんでしょう?検査工程における過検出とは、目視レベルでは合格品なのに、検査装置が「不良」と判定する事象の事を指します。現場によっては「見過ぎ」「過剰判定」と表現されるお客様もいます。 一見、検査基準が厳しいだけで、さほど問題ではないように思えるかもしれませんが、この「過検出」が多くなることによって自動検査後の確認作業の工数が増加したり、それによってヒューマンエラーが出やすい状況になり、実不良の流出に繋がる可能性も含んでいるのです。
多くのお客様は、この「過検出」を極力抑える為に検査装置の再調整を繰り返します。しかし、SMT工程では半田量や粘度、基板の状態や実装部品のバラツキなど、SMT工程における実装条件は刻々と変化していきます。そのため、リフロー炉から出た基板を見ると半田量が少なかったり、部品のズレやふらつきなど、基板ごと多岐に渡って表情の違いが発生するのです。しかしながら、それを検査する検査装置にはヒトのような柔軟性は無いので、検査結果が目視結果と完全一致する事は非常に困難なのです。

では、どうしたらいいのでしょうか?

今まで一手に捉えていた「過検出」という現象を、一つ一つ分析しながら適切な打ち手を講じる事が必要です。
下記に2つのケースを記述してみます。

ケース1:ティーチング不足による過検出を減らす
「過検出」の要因が、検査装置の検査データ作成の不備であれば、その都度修正ティーチングを行います。
たとえば「ランド抽出」等が、繰り返し安定性に欠けるなら実装検査や半田検査など他の検査結果に影響を及ぼし、まったく違う検査結果を出力する場合もあるのです。ランド色(もしくは部品色)の変化によるものは、出来るだけ検査データで吸収出来る様に修正します。但し、部品酸化等のような個別事例は無理にティーチングせず、諦めて検査項目から除外する柔軟な判断も必要です。
地道な作業ですが、この「ティーチング作業」によってどれだけ検査データを熟成させるかが、「過検出」を減らす一番の打ち手であり正攻法だと言えます。

ケース2:生産工程側も巻き込んで過検出を減らす
半田量の変化、部品位置の変化などが主原因の場合は生産工程側に要因があります。これを将来的な不良発生のシグナルと捉え、「工程改善の為の材料」として、SMT工程にフィードバックします。
お客様の実装現場では、SMT工程と検査工程の間での連携不足で、検査工程内だけで問題解決しようと苦慮しているお客様もおられると思います。明らかな品質不良ではない、このようなフィードバックに対して生産工程側の方も御理解頂けないかも知れませんが、事実を画像やデータで示して粘り強く協力を仰ぐ事が重要です。
検査工程だけの問題と捉えず、SMT工程トータルでの効率向上を目指すことが必要となります。
その為には、強いリーダーシップと信念が必要になるかも知れません。

上記二点の打ち手を主にPDCAサイクル素早く廻す事で、検査装置の定着化と有効活用を目指すべきと考えております。

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部品の影によるぬれ検査への影響

金曜日, 3月 7th, 2014

(2014/3/7)


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部品の影の影響によるランドの見え方・・・其の三

火曜日, 2月 4th, 2014

(2014/2/4)


前々回(第6回)の記事で説明した様に、背の高い部品に隣接する部品のフィレット部は、青い光が遮断されるため黒く撮像されてしまいます。そのため、フィレット1、2ともに未半田の色は取らない様にする必要があります。

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上記のような設定をすることで、個別・保護設定を使用する事無く、通常フィレット色・影の影響を受けたフィレット色を網羅する事が可能になります。

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部品の影の影響によるランドの見え方・・・其の二

月曜日, 11月 11th, 2013

(2013/11/11)


ランド上にはんだが無い状態の場合を考えてみます。

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カラーハイライトの原理からすると赤色の光は上からの照射ですのではんだが無い状態の場合は影の影響を受けずそのままランドは赤色に撮像されます。 どのような状況であれ基本的にははんだが無いランド面は赤色に見えることになります。
(第一回カラーハイライト方式参照)
どのようにフィレットの設定を行えばフィレット検査が可能になるでしょうか?・・・次回へ続く

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