「薪の水分計」ものづくり分析

(2012/8/21)


個人的趣味で薪ストーブを使い始め、的になった事があったので皆さんに紹介いたします。 1 内容はS社製の水分計は一体どうやってこの価格で物作りが出来ているんだろう?と、ふとした疑問からです。弊社社員に早速分析をさせてみたところ、凡そこの価格では日本で製造することは不可能であることが解りました。中国恐るべしです。

しかしながら性能は価格が示すように結構誇大広告で、こんなんで本当に性能が出ているの?といったようなバッタくさい臭いもします。 それでは、外観からケースの内容から金型の数(複合型を作製?)少なくともプラモデル感覚でないと、このコストは出ない。じゃあ作りが悪いかというと全然普通に使える。 日本から色々な技術を盗み取っているんだなと逆に感心させられる。

リアケース フロントケース 電池カバー
1)リアケース 2)フロントケース 3)電池カバー
スイッチフロント スイッチリア 電池カバーフロント
4)スイッチフロント 5)スイッチリア 6)電池カバーフロント
電池カバーリア プローブカバーフロント プローブカバーリア
7)電池カバーリア 8)プローブカバーフロント 9)プローブカバーリア
プローブ プローブとメイン基板 メイン基板フロント
10)プローブ 11)プローブとメイン基板 12)メイン基板フロント
メイン基板リア
13)メイン基板リア

以上のように写真を見てもらうと伺えるのだが成型品は売価に相当する部分では非常に作りは良い方である。 又基板に関しても両面ですのでサイズからして300円位でしょう。

さて次は簡単に回路・部品説明です。

1.市販の水分計の回路

1-1.補足説明

    ①SUN0907(U1)のピン
    No. 信号名 説 明 No. 信号名 説 明
    1 デジタル出力 LEDのON/OFF 18 デジタル出力 電源(3V)出力制御
    2 デジタル出力 LCD制御(3線式) 17 NC
    3 デジタル出力 16 デジタル入力 SW1
    4 デジタル出力 15 NC
    5 NC 14 NC
    6 NC 13
    7 アナログ入力 温度測定 12 電源(V2)+5V
    8 アナログ入力 プローブ間抵抗測定 11 パワーオンリセット入力
    9 GND(0V) 10 アナログ入力 電池の電圧監視

    ②温度測定 R21(47k)、R23(サーミスタ50k)、SUN0907(U1)の7ピン+26℃表示でSUN0907(U1)の7ピンは2.5V、+5℃表示で3.6V これよりR23サーミスタは50kと考えられる。

    ③電池電圧測定 オペアンプ(U3)の5,6,7ピンで電池電圧を比較し、結果をSUN0907(U1)の10ピンで読み取る。 約5.0VでLCDのバッテリマークが表示する。

    ④プローブ間抵抗測定 プローブ(IN)に5Vを加える。プローブ間の抵抗によりFET(D)電圧が変わる。 オペアンプ(U3)の1,2,3ピン、R9、R17で3倍し、その電圧をSUN0907(U1)の8ピンで読み取る。

    ⑤回路の電源(V3)制御 温度測定、プローブ間抵抗測定、電池電圧測定回路の電源制御は、SUN0907(U1)の18ピンで行なう。

1-2.不明な点

    ①SUN0907(U1)の13ピンの意味

    ②R16(43Ω)の調整方法 プローブ間に抵抗を接続し(オープンorショートか?)、FET(Q1)のDで電圧を測定して調整する。

    ③木材⇔コンクリート測定モードの変更方法

    ④プローブ間抵抗測定値に温度補正しているのか。サーミスタ使用のため温度測定精度が悪い。

2.部品選定

    ①三端子レギュレータ(U5, LR8503-5.0V)は国内の製品によく使用されているTS78M05CPとした。 しかし、待機電流が大きいので電池消耗が早い。再度、検討する必要がある。

    ②SUN0907(U1)の変わりにPICマイコン(PIC16F88-I/SO)とした。

    ③LCDの入手しやすさから、16文字×2行のキャラクタディスプレイとした。 ただし、本体寸法が大きくなる(基板、成型品が高価格になる)、文字表示が小さいなど問題が発生する。

    ④チップコンデンサの単価をすべて1.0円とした。

3.単価

電気部品のみで2,134円となる。(実装点数43)
(ただし、メカ部品の単価、および基板設計費、成型品設計費を含めない。)
現状量産効果を望んだとしても部品代は約30%コストダウンが出来ればよい方で見積価格的には10%ぐらいが関の山である。2000円が電機部品のみの価格である。 これに基板材料費300円、成型品500円(金型費含む)、2800円それに加工賃、運賃含めるとトータルで3300円位が製造原価と思われる。日本で販売の場合は流通コスト販売店の粗利を乗っけるとざっと5000円ぐらいで販売しないと黒字化しないのである。昔から製造業(一般的な)は売価の1/3が工場原価とされる。この考え方をこの製品に適用すると製造原価はおよそ1300円という事になる。 中国再び恐るべしである。
特に最近はアリババさんという中国との橋渡し役が色々な製造元を紹介してくれるので、ありがたいはありがたいが自分たちの首を絞めるだけである。一般的な消費志向として水分計は目安になればいいとして、やはり価格が安いだけの製品が喜ばれているのかも知れません。薪を燃やすのに水分が1%多いから少ないからどんな影響があるかと言えばあまり関係のない話のようなのでこういう製品でもそこそこ売れるのでしょう。
何万円も出して±0.1%の高い測定機を購入しても薪ストーブに入れてしまえばそれがどんな意味を持つのかという疑問もある。
良いじゃないか目安で・・・・。

さらに製品を分解して回路図を起こしてみた。⇒水分計回路図

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